平成19年6月29日のこと
NHK・BS2深夜放送でサド侯爵夫人(三島由紀夫原作の戯曲)の劇場中継録画を見た。蛇のように巻いた長い髪形をして、母モントルイユ夫人(剣幸)に対し激しい言葉を浴びせ、憎憎しいほどすばらしい演技をしている女性がサド侯爵夫人「ルネ」を演じる新妻聖子です。
ルネは、役の上では貞淑な妻ですが、既に第1幕において母モントルイユ夫人に対し激しい口調で「良人が悪徳の怪物だったら、こちらも貞淑の怪物にならなければ」と発する言葉を聞くと貞淑とは何かと戸惑い驚かされてしまいます。第3幕で悪徳の怪物サド侯爵が牢獄から解放され城に戻ってきたとき、貞淑の怪物たるルネが、侯爵の入城を断固として拒否する言葉を発し終幕します。何とも説明のつかない思いが心の中を渦巻き、それでいて感動する、ミュージカルとは全く違った感動のあるすばらしい台詞戯曲だと思う。私たちが普段口にしている愛、貞淑、悪徳、傲慢、品位、社会的立場、道徳等等、この戯曲を見ていて何が正しいのかと考えさせられることが多い。ぜひ機会があったら見ていただきたいと思い、ここに掲載しました。
ところで実は、私は、このミュージカル女優新妻聖子のブログをいつも見ている隠れたファンなのです。今年は、元旦に、TV「堀部安兵衛」で伊佐子役で出演していた彼女を見たので、ついてると思ったくらいです。最近では、ダブルキャストではありますが、9月4日博多座開演のLes Miserables(レ・ミゼラブル)のエボニーヌ役で出演すると聞いています。私は、ミュージカル界のシンデレラガールといわれている彼女にエールを送りたい。
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