2007年8月23日木曜日

自転車走行は小脳の働きに関係ある

平成19年8月14日、盂蘭盆会での話しのなかの抜粋です。
  最近、自転車を入手、まったく自転車を触ったことのなかった孫に運転の仕方を教えてあげたら、瞬く間に上達しています。自転車の運転はバランス感覚をとることができれば難なくできるようになるもので、子どものバランス感覚は通常高いので、怖がりさえしなければすぐに覚えます。
  ところがこのバランス感覚は年齢を重ねるにしたがって怪しくなって行きます。妻は、若い頃、近くにスーパーマーケットがなかったので、自転車に乗って遠くのスーパーまで買い物に行っていたので、自転車の運転には自信があった。そこで、上記の自転車を入手した直後、すぐに乗ってみたところ、わずか3mくらい進んだだけで横転して、左脚にかなりの擦り傷を作ったのです。なんとも説明のつかない一瞬の出来事でしたが、既に若いときのようなバランス感覚がなくなっている証です。私も乗ってみて、この自転車は運転しにくいと思いましたが、実は、そう思うこと自体が、それだけ自分のバランス感覚が低くなっているということなのです。(話を聞かれていた人で、「若いとき傘を差して自転車走行ができたが今はできない」と言われた人もいた)。
  この人間のバランス感覚をつかさどる機能は、小脳であるといわれています。小脳の働きが衰えると、体の重心が右か左かに移動しているということです。小脳の働きの衰えがバランス感覚を衰退させているので、自転車の運転がうまく行かなくなるのです。特にスピードを落としたときに、安定をとりにくくなったり、転んだりするようになります。小脳衰退の原因の一つは、やはり運動不足です。
  とりあえずバランス感覚を取り戻す一つの方法として、これは何かで見聞きしたことですが、目を瞑って左手を前に伸ばし、手のひらを外側にむけ指を開きます。次に頭上で右手を握り締め、人差し指を伸ばし、その指を伸ばしている左手の親指につけ、戻す。この動作で、順次小指までつけ行きます。次に小指から順次親指へと行います。次に左手と右手を入れ替えて同じことをします。これをするだけでも衰えた小脳の働きが活性化していくと聞きました。
  自転車の走行も、安定が悪くなっていると感じたら、あせらず一からやり直すという気持ちで行ってみてください。その意味では、自転車走行をあせらず正しく行えば、衰えていた小脳の働きを活性化させることになると思います。健康器具の中にも自転車によく似たものがあるのを見たことがあります。
  また、修行から長く遠ざかっている修験者にとっては、霊山での走行修行を再開する必要があります。山道や谷道は、でこぼこして変化に富んでおり、自分の体の安定とりながら歩く、登る、下る、渡るといった諸動作が小脳を活性化させると思います。そして、自分の足の感覚、呼吸、心臓の鼓動等が、いつ、どこで平常の状態に戻るかに気づくと、正見行脚の修行の度合いを認知できます。

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