2008年3月20日木曜日

「幻十郎必殺剣(金曜時代劇)」で戸田菜穂が好演

  HDDに録画していた金曜時代劇「幻十郎必殺剣(3月1日放映分)」を開いたら最終回だった。勧善懲悪型の時代劇で流れが分かりやすく、主役の北大路欣也の剣さばきも堂に入っていた。最近人気のソフトバンク携帯電話コマーシャルの白い犬の声の主とは想像しがたい。
  1/18の第1回から8回までレギュラーで出演していた女優は戸田菜穂1人。夫を殺害した幻十郎にひかれて行く元武士の妻志乃の女心をみごとに演じきった。
  気持ちを抑えて幻十郎と酒を酌み交わすときや自分の気持ちを打ち明けようとして幻十郎にさえぎられ黙らざるを得なくなるときの表情、あるいは無言の表情で語りかける演技など、じっくりと見させてもらった。
  幻十郎の毎回変わらぬ黒装束に対して、毎回変わる志乃の淡い色の着物、このコントラストも良かった。最初は女郎姿の赤服だったが、身請けされて以後は、水色系の色合いのものが多かった。過去を水に流すという設定であったのかもしれない。また、第6回「消えた逃亡者」のなかで見せた着物姿で懐剣を振りかざす立ち振る舞いの敏捷さには目を見張った。
  彼女の着物姿は、昨年11月に観た「花いくさ~京都祇園伝説の芸妓岩崎峰子」以来であった。「花いくさ」では、憎まれ役の姉を演じたが、今回は女郎から元武士の妻に戻る難しい役。大口をたたかず気品を損なわず、セリフを語るときの表情、しぐさも適役だった。そのセリフのなかには記憶に残るものもあった。
  「根はしつこい女です、だから覚悟してください、幻の旦那」
  「あなたは、恋しい巳吉さんの仇を討った、でも私は夫の仇を討つ気にはなれない」
  「隠しごとは身重の体にはよくありませんよ、思い切って正直に話してくださいな、すっきりしてきっと気が楽になりますから」(志乃は自分の気持ちとは裏腹のことを人に言っている)
  「私思うの、男には二人で生きる明日を捨ててでも、昨日を生きなければならないことがあるかも知れないって、それでも私たち女は信じて待つしかないのよ、心底いとおしいと思える人に出逢ったなら」
  「妙な行きがかりあるんですよ、あの旦那とは、本当なら憎しみあって傷つけあっていた人の筈なのに」
  「一生に1人、魂と魂で固く結ばれて、これから二人は未来永劫ずっと一緒にいられる、誰の邪魔もされずに…何だか羨ましい気が…」。
  私は、「ショム2」放映以来の戸田菜穂ファン。次は、4月16日スタートする「ホカベン」にも出演する。彼女の出ているTV番組は欠かさず見ているので、妻に「あんたはこんな顔の人が好きなの、私とは大分違うよ」と言われ、言い訳をしなければならないほど。  

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