2008年9月10日水曜日

白い玉スダレの開花と実母の旅立ち

  我が家の庭では、ときどき花々が不思議な咲き方をすることがある。
  毎年盂蘭盆を過ぎて養母の本祥月命日に合わせるように開花する白ユリ(高砂異種)がある。養母の好きだった花なので、養母の白ユリ供養と思って一輪開花するたびに合掌しては浄土での冥福を祈っていた。 この白ユリは、養母の死から22年咲き続けていたが、今年は一輪も開花せず枯れてしまった。どうしたのだろうかと思いつつ、その命日の夜、23回忌法要をした。
  その翌早朝、毎日のように訪れていた実母の入院先から電話があり、慌てて駆けつけた。実母は、私の目の前で息を引き取った。養母の命日をやり過ごし、その翌朝旅立ったのである。
  そして、この日、我が家の庭には、白いタマスダレの花が一面に開花していた。このタマスダレは実母の好きな花で、その元球根は実母の家の庭から持ってきて植えていたものだった。今年、白ユリが開花せずに枯れたのは、養母の御霊が実母の死を予感していたのかもしれない。それ故に、今年はタマスダレに席を譲っていたのだろう。今後、タマスダレの開花を見ると養母を思い出して合掌することになるのかもしれない。
  また、この花に混じって、タマスダレに良く似た形をしたピンクのサクラモドキの花も、色を添えるかのようにたくさん咲いていた。
  考えてみると、養母も実母も死ぬときは私の姓とは違っており、私は生涯で二人の姓の違う母の喪主を勤めたことになる。そして、その命日は一日違い、不思議な巡り合わせとはいえ、養母の死から23年経って、やっと養母がその命日に実母を迎えに降りてきて、その翌朝、その手を引いて霊界へと導いて行かれたのだと信じたい。
  今は、まだ心に穴があいたような状態だが、このことを記していないと、この後、何も書けないような気がするので、ここに書き留めておくことにした。

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