信徒の1人が住み慣れた賃貸マンションを引き払って、勤め先の特殊入院病棟を持つ病院(医療法人)の敷地内にある職員寮に引っ越すことになった。
ところが、それまでマンション室内に祀っていた神仏の移動と寮内での供養に関して厄介な問題が発生した。つまり、「寮内で神仏の供養はまかりならぬ」というのである。本人は、病院上層部との粘り強い交渉を続けた結果、やっと「(アパートなどで祀る)小さな仏壇なら置いてよい」ことになった。
しかし、特殊入院病棟を持つ病院の性格上、入院患者にいらぬ不安を与えることになるので、「仏壇で線香を焚いてはいけない」「勤行をしてはいけない」「坊さんを呼んではいけない」というのである。そればかりか親兄弟親戚、友人をも寮の敷地内に入れることは禁止という。
困り抜いて「引越しをやめようか」と相談があった。それに対して、「引越しはやめなくてよい」と答え、仏壇での先祖供養法については、灯明、線香、鐘などの取り扱い方と勤行の方法、及び御縁日供養法等の秘伝を教えた。また、台所に祀ってあったお荒神様については、そのお社とお神札を引き下げ納札して、「寮ではネズミモチの枝葉を立てるだけでもよい」と言って、その方法を教示した。
「これで安心して引越しができる」と喜んでいたが、やはり、特殊入院病棟を持つ病院内にある職員寮での神仏供養についてはかなり気を使うものだと改めて知らされた思いだった。
☆画像はネズミモチ。http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/BotanicalGarden/HTMLs/nezumimoti.html
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