元旦のTVで「人情たっぷりアメリカ人のラーメン」が紹介された。
ラーメン店の主人は、ニューヨーク出身のアイバン・オーキンさん(44歳)で、東京の住宅街の片隅にある今はさびれつつある昔ながらの商店街に出店したアイバン・ラーメン店では、開店時間になると、どこから現れたのか人の列ができて、毎日150食を売り上げるという。彼の並々ならぬ味へのこだわりが、自家製のスープと麺の味を生み出した。
そればかりではなく、「商店街のみんなが一緒に商売している気持ちが欲しかった」といい、仕込みの合間をぬって商店街の人たちと軽口をたたきながら心のふれあいを大事にしている。
レポーターが、「ここでラーメン店を開業しようと思った理由は何か」と問うと、彼はすかさず「たんぽぽです」と答えた。その意味の説明がなかったので、そのときは何のことかよくわからず、心の片隅に疑問として残っていた。
「たんぽぽ」は私の好きな花、それなのにどうしてわからないのかと自問自答しているうちに、ふと伊丹十三監督の映画「たんぽぽ」に出てくる下町人情とラーメンに対するこだわりの場面を思い出した。
伊丹十三記念館の中庭には、彼が好きだった「たんぽぽ」の花が植えられているというが、彼は、自分の好きな花の名を題名にして、下町人情とラーメンを題材にした映画を作っていたのだ。この映画に影響されたアメリカ人がいて、それを地で行くようなことをされている。改めて何とすばらしいことかと思った。
薄れ行く近所付き合いや人情が今も生きている、うれしいですね。人の寿命は、偉くなろうとなるまいと知れている(決まっている)のですから、殺伐と摩擦ししのぎあって生きるのもよいが、そんななかでも人情ある人と人とのふれあいや支えあいが多くある人の人生の方がよいと思う。
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