NHK大河ドラマで篤姫が始まりました。予告編で篤姫の母が篤姫に対して、『考えるのを止めるのです。(心で)感じるのです』と言う場面がありました。どういう状況の中での発言かはわかりませんが、この言葉は、そのまま神仏を信心するときの基本ともいえると思います。自分本位で物事を考えていると、自意識が過剰になり、判断があまくなったりして失敗することがあります。それは、内面から語りかけてくれている守護神の指示・誘導を見落としているからです。
今日は、この言葉を、縁あって出会った人が良い人か悪い人かの見分け方に応用してみましょう。まず、一見見かけの良い人は悪い人ではないかと思ってみてください。すると、冷静に相手を眺めることができます。その人が良い人か悪い人か、表面的な見せかけだけを見て、考えるのではなく、心で感じる訓練をしてください。まじめな人は、見せ掛けの良い人にだまされやすいので、だまされて泣きをみないためには、常にこの思いを持っていてください。
悪い人は、多くの嘘を隠して、虚言を弄して、ことさら自分を良い人に見せようとします。そんな人を良い人と思って付き合っていると、必ず騙されます。商売関係のみならず男女関係でもそうです。騙されると金銭的浪費と精神的負担で泣く羽目になりますので、多くの会話を交わすなかで、相手を冷静に見ることができる心の感性を養って行きましょう。
「篤姫」では、第1回と第2回に悪家老といわれた調所(平幹二郎)が出てきますが、本当は命賭けで藩政改革を行い、藩を救った恩人だったのです。篤姫の言葉に素直に耳を貸し、努力する実直で素直な人だった。本当に良い人は、自分を良く見せようとしないので理解されないことが多い。
今日は、素直な心で信心する人に人を疑えと言っているみたいですが、素直な心で相手に接していれば、いちいち考えなくても、必ず相手の虚言を見逃すことのない冷静な目、そして心で感じる力が培われてくるはずです。皆さんは、今、自分のそばにいる人を、表面だけ見て、とても良い人と思ったり、言ったりしていないでしょうね。(本稿は、1月7日初権現供養会で話した抜粋)
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