2008年9月1日月曜日

「魅惑のポップス」を聴き実母の死を悼む

  8月下旬、入院中の実母(83)の病状が悪化し死亡し、ずっとTVを観ていなかった。今まで生きていた身近な人が、突然声を発しなくなり、形もなくなり消えていく。やはり悲しく、心が虚しくなる。昨夜、そのような気持ちを鎮めるかのように、やっと開いたチャンネルが「魅惑のスタンダードポップス」(NHK-BS2)だった。
  実母は、若い頃からダンスが好きで、またアメリカンポップスやジャズ・カンツォーネなどのポップス曲を英語で歌うなど、なかなかのモダンガールであった。私は、このような実母の影響も受けたが、性格が似すぎて相容れないところもあった。お互いにずっと気にかけあっていたものの同居した日々は僅かであった。この番組で数々のポップスを聴きながら、若い頃、水商売にも手を染め、色白の美人と、もてはやされたこともあった実母の思い出を辿っていた。
  番組は、左耳元に白い花の髪飾りをつけた新妻聖子が歌う「太陽の彼方に(日本語)」で開幕した。その「のってけ のってけ のってけサーフィン 波に 波に 波に乗れ乗れ 踊れ 踊れ 踊れサーフィン 太陽の彼方」という楽しいリズムに乗った歌詞を思わず口ずさんだ。
  この後、新妻聖子と井上順の司会で、「恋はみずいろ(日本語)」(meg)をトップに色をワンテーマとしたメドレーが始まった。続いて、すっかり年老いたが、今も味わいのあるデューク・エイセスのハーモニィメロディ、また鍵盤ハーモニカを奏でるピアニカ前田、さらにスーパースターメドレーはシナトラ一家と、1950年代から70年代までに歌われた馴染みの曲の数々が披露された。そのすべての旋律に心ときめき、まさにポップスは、熟年世代にとっては「心の歌」であると思った。
  新妻聖子は、中盤でも「幸せの黄色いリボン」や「にくい貴方」を英語で歌った。新妻聖子の発音は綺麗で、ポップスも流暢に歌う。このほかアルベルト・シロマ、宙美、今井清隆、Bless4、庄野真代などのベテランと若手の歌手が競演し、見ごたえ、聴き応えがあった。
  この放送曲を聴いていて、若い頃の実母のことを思い出すことができ、きっと実母も一緒に聴いていたかも知れないと思うと、ずっと沈んでいた心が少し和んだ。そして、次回9月28日の続編放送も観たいと思った。
 ※画像は、「魅惑のスタンダードポップス」に出演・司会もした新妻聖子(公式ブログ7/19から転載)。

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