ある友人が「今年は、善悪がはっきり形として現れる年です。深みにはまる前に善悪がわかったときは、被害が少なくてよかったと思いましょう」と言った。確かにそう考えれば、早々に裏切り行為を目にすることができれば、誰が善人で、誰が悪人かが分かり、その後の付き合い方を変えることができます。
最近、毎日新聞で図書「斜陽に立つ」の広告を見た。毎日新聞日曜版(06.10~08.2)に連載された古川薫さんの小説(2月28日のブログ参照)。
広告の見出しに「乃木は愚将に非ず」とあり、ふと、小倉歩兵第14連隊隊長心得だった乃木希典(28歳)が知将ぶりを発揮して、豊津藩士に裏切りを画策し、鎮圧軍を率いて秋月の乱を鎮圧したことを思い出した。
明治9年(1876)10月、熊本神風連の乱に呼応し、旧秋月藩の不平士族秋月党250人が、長州萩で蜂起を企図していた前原一誠隊に合流するために挙兵し豊津に向かったが、乱に同調すると思っていた旧豊津藩士の裏切りにあって、何の成果も上げることなく山中をさまよい1週間ほどで壊滅したという。
明治9年(1876)10月、熊本神風連の乱に呼応し、旧秋月藩の不平士族秋月党250人が、長州萩で蜂起を企図していた前原一誠隊に合流するために挙兵し豊津に向かったが、乱に同調すると思っていた旧豊津藩士の裏切りにあって、何の成果も上げることなく山中をさまよい1週間ほどで壊滅したという。
その足跡をたどると、挙兵時に明元寺で穂波半太郎警部(29歳)を刺殺した以外には戦功はない。なお、昨年までの福岡県警殉職者は158人、その第1号が穂波警部で、明元寺境内にその殉職碑が残されている。警官の職務を全うするあまり殉職の道を歩まねばならなかったことはさぞ無念であったことだろう。
秋月の乱の首謀者とされた宮崎車之助(38歳)は、江川谷(栗河内)で自刃した。自刃するとき、「西郷が立たねば駄目だ」と語ったというが、その西郷隆盛が挙兵した西南の役は、この3か月後のことであった。宮崎は、弟の今村百太郎の挙兵に引きずられるように秋月の乱に加わり、あっけなく敗戦しただけに、西郷が立つときを待って挙兵していれば、豊津藩士の裏切りもなく、あるいは福岡本藩の同調者も共に立ち上がっていただろうと思っていたことだろう。
秋月の乱の首謀者とされた宮崎車之助(38歳)は、江川谷(栗河内)で自刃した。自刃するとき、「西郷が立たねば駄目だ」と語ったというが、その西郷隆盛が挙兵した西南の役は、この3か月後のことであった。宮崎は、弟の今村百太郎の挙兵に引きずられるように秋月の乱に加わり、あっけなく敗戦しただけに、西郷が立つときを待って挙兵していれば、豊津藩士の裏切りもなく、あるいは福岡本藩の同調者も共に立ち上がっていただろうと思っていたことだろう。
その辞世「散ればこそ別れもよけれ三芳野の 散ずば花の名残なからめ」に無念さが忍ばれる。どれほど残念で悔しかったことだろう。総大将の今村百太郎(35歳)も12月に刑死した。しかし、裏切られ消滅しても彼らは歴史にその名を残した。
これといった戦略もないままに挙兵したのは、秋月の兵が立てば、必ず各地の呼応者が挙兵するだろうという過信があったからだともいう。特に豊津藩は、小倉から豊津に移動した藩で、慶応2年(1866)長州征伐の敗戦で小倉城を焼き払い幼君小笠原忠忱(ただのぶ)が熊本の細川家を頼って落ち延びるとき、秋月の人々が助力した恩があるで、秋月が立てば必ず呼応してくれるという過信があったと思う。
これといった戦略もないままに挙兵したのは、秋月の兵が立てば、必ず各地の呼応者が挙兵するだろうという過信があったからだともいう。特に豊津藩は、小倉から豊津に移動した藩で、慶応2年(1866)長州征伐の敗戦で小倉城を焼き払い幼君小笠原忠忱(ただのぶ)が熊本の細川家を頼って落ち延びるとき、秋月の人々が助力した恩があるで、秋月が立てば必ず呼応してくれるという過信があったと思う。
しかし、過信は、打ち砕かれると頓挫して、往々にして行方を見失ってしまうことになりかねない。過信で行動を起こした場合、裏切られる確立も高くなる。計画には、常に同志の裏切りを想定し、代案を持って行動することが望ましい。
霊的に考えると、今、身の回りで起きる裏切りは、生死に関わるものでなければ、自分が抱えていた悪因縁の噴出現象です。ひょっとしたら自分も他人を裏切ったことがあるかもしれません。だとしたら、これで帳消しになりますね。そして、落ち込むことなく、今後の善後策を考え執行して行くようにしましょう。
※画像は、青春の城下町からお借りしました。
※画像は、青春の城下町からお借りしました。
(豊津で乃木軍と戦う秋月党:西南鎮静録)
http://inoues.net/club/akiduki/akiduki5.html
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