筑紫舞の宗家、西山村光寿斉師匠が、福岡市香椎方面に居住されていることを知ったのは、平成12(2000)年5月21日に放映されたTV「九州街道ものがたり」を観てであった。画面に「筑紫舞、西山村光寿斉」の文字が出たとき、私の目は釘付けになった。昭和62年頃、朝闇神社を訪れた後、心の中にしまいこんでいた筑紫舞の記憶を一気に呼び起こされた。
TVを観た後、福岡市の電話帳で西山村の名前を探したが、見つけることができなかった。しかし、宗家が福岡に居られるのであれば、筑紫舞を観賞できる時期が近まったとの直感があったので、それ以上調べることはしなかった。
7月に入り、家族で先祖崇祀の御神霊を祀る櫛田神社境内社を参拝後、飾り山笠見学を兼ねて川端通りを歩いた。何気なく立ち寄った商店で商品を眺めていたとき、娘が私の肩をたたき、その店のショーウィンドーに貼られているポスターを指差した。
それは、「第15回筑紫舞公演」のポスターであった。このとき、先祖の神霊が、このポスターを目にするために、この商店に立ち寄らされたのだと感じた。そして、やはり5月の直感はあたっていたと思った。
公演日の7月29日(土)は、仕事があったが、観賞できることを願った。プレイガイドに観賞券がなかったので、ネットに連絡先として書いてある「ふくや」の電話番号にダイヤルしたら関係ない会社が出た。あわてて、電話帳で「ふくや」の電話番号を調べ、かけなおして二人分の観賞券を予約した。なお、当家では、いつも老舗「ふくやのからし明太子」を買っている。
公演当日、仕事を午前中で終えることができたので、娘と待ち合わせして大濠公園能楽堂に行き、ついに長年の念願であった筑紫舞を観賞することができた。
筝、三絃、笛などの調方のすばらしい謡曲演奏にあわせて舞う、ルソン足など筑紫舞独特の舞いの数々を、実際に自分の目で観ることができたので感激ひとしおであった。
この公演は、このとき既に15回。毎年1回開催されているということは、初めて朝闇神社で絵馬を見た直後、既に福岡で第1回公演が開催されていたことになる。15年間もそれを知らず、長い空白期間を経ての筑紫舞との出会いであった。(次回につづく)
※画像は、筑紫舞宗家西山村光寿斉師匠(第15回公演プログラム)。
0 件のコメント:
コメントを投稿