ドラマ『太王四神記』を観ているが、キハを演じるムン・ソリの演技力が光っている。
キハは、タムドク(ペ・ヨンジュン)が18歳で即位する前の恋人であるが、その役を演じる女優がムン・ソリでは、老けすぎているのでないかとしてミスキャスティング論争があったという。
確かにムン・ソリは、撮影時(2007)33歳で、2003年『浮気な家族』での過激なセクシーシーンを演じたイメージもあるので、ういういしさに欠けるとして問題になったのだろうか。
それでも彼女の知的で凛々しい演技には年齢を感じさせない若さ、美しさを感じる。
キハは、後にタムドクと対立し、タムドクはスジニを愛するようになる。スジニを演じるイ・ジアは、新人女優で演技力は未知数だが、若村麻由美を見ているようである。
ドラマのなかで展開するこの二人の女性とタムドクとの相愛、相克のラブストーリには、愛別離苦、怨憎会苦(四苦八苦のうち)を強く感じるが、それらを含めてドラマ全体は、転生により生を得た者が前世の運命に翻弄されるように展開している。実に前世の因縁の恐ろしさを見せられているようでもある。
さらに、高句麗王朝で四方守護神とされた四神(玄武、朱雀、白虎、清龍)が出現し、物語を一挙に神秘的な世界に巻きこんで行く。四神といえば高松塚古墳装飾壁画(国宝、昨年4~6月カビによる退色劣化で石室を解体し現在修理中)を思い出す。
ところで、高校日本史に高句麗王19代の好太王(三国史記では広開土王)[391年18歳で即位、413年39歳で死亡、在位21年]の功績を記念して、その子長寿王(ジャンスワン)が414年に建立した「好太王(広開土王)碑」(中国吉林省集安県通溝所在)が出てくるが、タムドク(談德)とは、この好太王の即位前の名前。即位後は、永樂大王(ヨンラクデワン)[韓国史上初めて永樂という年号を使う]とも言われたが、死後の廟号が国岡上広開土境平安好太王(クァンゲトワン)であったので、通常は好太王(広開土王)という。なお、碑文には、4世紀末に倭が百済と連合し高句麗と戦ったことが記されてあり、改めて高校日本史の記述を思い出した。
まだドラマ(NHK毎土23:10)は、7/24回が終わったばかりだが、今後の壮絶な愛と戦い、そして愛憎苦の戦いに挑むキハを演じるムン・ソリから当分目を離せそうにない。
0 件のコメント:
コメントを投稿